BARFOUT! 5月号 インタビュー企画より転載

BARFOUT!

 今年、〈江原道〉のイメージ・キャラクターに起用された安藤桃子と安藤サクラ姉妹。映画監督の安藤桃子は、高知で撮影をおこなった『0.5ミリ』を14年に発表。高知こそ自身が求めていた居場所だと、移住した。一方で、安藤姉妹が生まれ育った地元は、商店街が立ち並び人情味が溢れる、麻布十番。今回、麻布十番と高知、クリエイターとしての安藤桃子と〈江原道〉の哲学の話を聞いて、それらの共通性に驚く。「“自然である”ということは本来当たり前のはずなのに、今は特別なことになっている。〈江原道〉は、当然のことを自然体でという高知のあり方にも、自分の考え方にもリンクするんです」と安藤は話す。自分に嘘なく、納得できるものと関わっているから、周りに信頼する人々が集まるのだ。安藤をとりまく環境は必然なんだと痛感した。移住してから、より力がみなぎっている。

 「みんな高知に来ると日本人の核、DNAにスイッチが入るというか、懐かしいと言うんです。太平洋と四国山脈に隔たれて、行き来しにくい土地なので、結果、日本の古き良きが濃く守られてきた場所。自分の内部に先祖が生きていると感じられるし、自己と対峙する機会が増えました。高知県人は、どこか私の生まれ育った麻布十番の、江戸っ子気質とも近い部分がある。商店街は人間関係のドロドロもあるけれど、それも含めた人との関わりの中で、持ちつ持たれつ生活している。私はロンドンに留学したことで、日本人に生まれた有り難さや、自分のアイデンティティを見直す機会になったんですが、帰国して高知に行ったら『私の生きる場所はここだ』と、瞬時にスイッチが入っちゃった。結婚と出産も大きなきっかけで、制作したいと思うものも変わりました。都会に居ると事情や都合が先に立つことが多くて、気付くと自分を削ってもの作りをしていたり、しんどく感じることもありました。限界がある中でもがいていたことにすら気付いていなかった。でも、そもそもクリエウティヴに限界はあってはならないですよね。高知は『あ!エンジンって本来はここにあったんだ!』と、無限のエネルギーの源を教えてくれる場所です。子供の無限大の想像力、創造力、エネルギーを使うような感じです。出産して子供を見ていたら、どんなに疲れていても寝不足でも、愛の泉が湧いて出てくる。恋愛初期のカップルみたいに、寝こけていても、彼が来たら飛び起きちゃう感じ(笑)。その無償版かな? 恋はいつか終わるけど、愛は無限。だから愛を表現したい。愛以上の何があるんだ!って思います」