余 貴美子のBook Bar 「30」にまつわるエトセトラ

余 貴美子  よ きみこ 1956年、神奈川県出身。自由劇場、東京壱組を経て、映画・TV・CM・Naなど活動の場を広げる。08年、毎日映画コンクールにて田中絹代賞を受賞。また同年「おくりびと」、09年「ディア・ドクター」で、日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を2年連続受賞するなど受賞歴多数。「はじめまして、愛しています」(テレビ朝日 木曜日・夜9時~)出演中。

記念日を祝う -後編-

Koh Gen Do 30周年にちなんで、女優の余 貴美子さんに「30」にまつわる思い出を語っていただきましょう。30年という節目に、何を想いますか?

悪女だった!? 30代の思い出
振り返ってみると、私の30代は仕事において変化のあった時期だったと思います。今の事務所に入ったのがちょうど30歳のとき。それまで舞台中心の仕事だったのが、TVや映画にも出演させていただくようになりました。当時は"悪い"女の役が多かったです。役のイメージは強いようで、プライベートの酒会などでご一緒した方に、「にこやかに笑うんだね?」と意外がられることもしばしばありました。
演じることを積み重ねて
バーのママだとか、カウンターの中に入ってお仕事をする女の役も多かったですね。同じような設定の役回りが重なることもあったのですが、「こうなったら、日本一のママになりたい! いただいた役は全部させてください」とマネージャーにお願いしたこともありました。回数を積み重ねることで、役柄に関する知識が増えたり、勉強することが確実にあります。世界が広がり、自分の中の受け皿が広がっていく。続けるということは、そういう楽しみがあります。