余 貴美子のBook Bar 「30」にまつわるエトセトラ

余 貴美子  よ きみこ 1956年、神奈川県出身。自由劇場、東京壱組を経て、映画・TV・CM・Naなど活動の場を広げる。08年、毎日映画コンクールにて田中絹代賞を受賞。また同年「おくりびと」、09年「ディア・ドクター」で、日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を2年連続受賞するなど受賞歴多数。「はじめまして、愛しています」(テレビ朝日 木曜日・夜9時~)出演中。

vol.2 3は「可能性」の数字 -前編-

「3」という数字にはさまざまな魅力が秘められている、と語る余さん。三角形、三人トリオ、三択問題…世の中にはたくさんの「3」があります。余さんにとって印象深いものは、何ですか?

イエスでもノーでもない。「3」は可能性の数字
「3」という数字がとても好きです。1と2だとイエスとノーしかないけれど、3だともうひとつある。そこにいろいろな可能性を感じてしまうのです。
「3人寄れば文殊の智慧」とか、「旅行は2人より3人のほうがいい」などと言われるように、人が3人揃うと、思わぬ発見があったり、楽しみが増えたりします。人間関係が立体的になって、いろいろな物語が生まれるように思います。
「3」は私のラッキーナンバー
私は建築が好きなので、コンサートホールなど大きな建物に出かけると、ついつい天井を眺めてしまいます。先日観たホールでは、鉄骨が三角形に組まれていました。建築の世界では、三角形は安定の数字だそうです。鉄骨を四角に組むと面になるのでつぶれやすいけれど、三角形だと点で支えるので強度が増すのだとか。三角形が並ぶ様子は、幾何学的でとても美しいです。機能性と美しさを兼ね備えている、そういう点でも「3」は魅力的な数字です。

次回、後編は
「3」が生み出す物語、についてです。