余 貴美子のBook Bar 「30」にまつわるエトセトラ

余 貴美子  よ きみこ 1956年、神奈川県出身。自由劇場、東京壱組を経て、映画・TV・CM・Naなど活動の場を広げる。08年、毎日映画コンクールにて田中絹代賞を受賞。また同年「おくりびと」、09年「ディア・ドクター」で、日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を2年連続受賞するなど受賞歴多数。「はじめまして、愛しています」(テレビ朝日 木曜日・夜9時~)出演中。

30の美容法 -前編-

艶やかな黒髪が印象的な余貴美子さん。普段はロングヘアが定番ですが、おめかしのときは、かつらを装着してガラリと印象を変えることもあります。和装にボブのウィッグを合わせるなどモダンなコーディネートも着こなす余さんに、おしゃれや美容の愉しみについてお話してもらいました。

大好きなかつら。30個揃えています
俳優は、自分ではない人格を演じるのが仕事です。他人になるのに手っ取り早いのは、見た目を変えること。さすがに顔の造形や背格好を変えるのは限界がありますが、髪型に関してはかつらをかぶればいいので便利です。20代の頃から、常時30個のかつらを揃えています。30個というと「そんなに髪型のバリエーションってあるものなの?」と驚かれることもあるのですが、たとえばボブでも、前下がりのもの、昔ながらのおかっぱ風、ボリュームのあるもの…といろいろあるんですよ。ヘアダイで傷んでいて毛先がボサボサといった、生活の疲れを感じさせるボブも持っています。
髪型を変えると、心もリフトアップ
昔、様々なかつらを持っているヘアメークさんに、金髪のウィッグをかぶせてもらったことがあります。平坦な顔は変わらないのに、西洋人に見える! と鏡に映った自分に驚いたことを覚えています。さすがに金髪のウィッグを普段身につけるわけにはいかないけれど、髪は色も形も、自分の好みに変えられるから楽しいと思います。髪を下ろすか、高い位置で結ぶかで、気分まで変わってくるから不思議なものです。ちなみに、若い役を演じるときは、耳を出す髪型にすることが多いです。逆に、老け役のときは毛の流れを下へ下へと流して、耳やうなじのあたりを隠すように髪をまとめることが多いです。

次回、後編は
お化粧とトレーニング、についてです。